エラーメッセージへの対応
emath を含んだソースリストをタイプセットしたときに出るエラーの対応法をまとめます。
以下,エラーメッセージをアルファベット順に並べます。
! Argument of \@sect has an extra }. †
- \section コマンドの引数にコマンドを配置する場合,\protect をかぶせる必要がある,場合があります。
! Arithmetic overflow. †
- 数値計算がオーバーフローしました。
- 0で割ったなどというのは論外です。
- TeX は数値計算ソフトではありません。
128*128 でオーバーフローします。
- 寸法レジスタへの代入は 16384pt(2^30 sp) でオーバーフローします:
\@tempdima16384pt
- zahyou環境内で発生する場合は,\unitlength を 1cm 程度に大きくするのが有力な対策です。
(詳しくは,zahyou環境の注意事項をご覧ください)
! arydshln と hhline の併用は罫線の乱れを誘発します. †
- arydshln.sty と hhline.sty は併用できません。
- arydshln.sty と emathT.sty を併用する場合は
\usepackage[arydshln]{emathT}
とします。この場合,hhline.sty はロードされません。
詳細はarydshln-LO-Tのページをご覧ください。
- 何らかの事情があって,arydshln, hhline, emathT を併用する場合は
\usepackage[arydshln,hhline]{emathT}
とします。ただし,罫線は乱れます。
! bekutorukata と esvect.sty の併用はしないほうがよい. †
- esvect.sty (EMesvect.sty) を使用する場合は,\bekutorukata は使えません。
- zahyou環境などで鏃に窪みをつける場合は
\def\ArrowHeadPit{.25}
などと,\ArrowHeadPit を再定義します。
- emathOld.sty と EMesvect.sty を併用することはできません。
! Command \..... already defined. †
- コマンド \..... の定義が二重になっています。
そのコマンドを定義しているスタイルファイルのロード順を変更するのが一つの対策です。
! Dimension too large. †
- 数値計算がオーバーフローしました。
- 0で割ったなどというのは論外です。
- TeX は数値計算ソフトではありません。
128*128 でオーバーフローします。
- 寸法レジスタへの代入は 16384pt(2^30 sp) でオーバーフローします:
\@tempdima16384pt
! emathPp Error : Perl との連携ができていません。. †
- Perl との連携機能がインストールされていません。
- 詳しくは,emath のドキュメント samplePp.pdf をご覧ください。
! emathPs.sty needs graphicx.sty. †
- emathPs.sty は,graphicx.sty を前提としています。
emathパッケージのロードに先立って
\usepackage{graphicx}
を記述しておく必要があります。グラフィックドライバは,環境に応じて適宜指定します。
! emathPut : 方位の指定が異常です:[c]. †
- \emathPut コマンドの簡易文字列配置指定において,使用可能な文字は
e, w, s, n
のみです。
c, l, r, t, b
は,(0,0) など位置微調整ベクトルを前置しなければなりません。
詳しくは,\emathPut の書式をご参照願います。
! EMpsrectbox needs emathPb.sty. †
- EMpsrectbox環境は,emathPb.sty に下請けを出しています。
\usepackage{emathPb}
を記述しておく必要があります。
! File ended while scanning use of \..... †
- コマンド \..... において,`{' と `}' の対応がおかしい。
! Font ...... not loadable: Metric (TFM) file not found. †
! HenKo needs color.sty. †
- \HenKo は,color.sty で定義されている \colorbox を用いますから,
emathパッケージのロードに先立って
\usepackage{color}
を記述しておく必要があります。グラフィックドライバは環境に応じて適宜指定します。
! I can't write on file `..... †
- `..... の部分に示されたファイルを作成できない,というエラーです。
`..... の部分にサブディレクトリが含まれている場合は,そのディレクトリが作成されていない,というケースが多いようです。
- emath で,作業用ファイルをサブディレクトリに作成するコマンド \EMworkfiledir を用いている場合は,
そのサブディレクトリをあらかじめ作成しておく手順を失念しているケースが多いようです。
! Illegal unit of measure (pt inserted). †
- 単位つきの数値が期待されている場所に,
無名数,TeXが認識しない単位名,あるいは数字ではなく文字列
が現れました。
- どんなものが現れたのかが,エラーメッセージ,次の行に示されています。
- emath としてよくあるのは,エラーメッセージ次の行が
<to be read again>
e
となっている場合です。
これは perl を利用しての数値計算で戻り値が0に近い場合
1.23456e-006
などと指数形式で戻ってくる場合に発生します。戻り値のフォーマットを
s ではなく f
と指定することで回避できます。
! LaTeX Error: Cannot determine size of graphic in ./******.e?.eps (no BoundingBox). †
- eps ファイルに Bounding Box が存在しない,というエラーです。
emath で,pszahyou(*)環境を使用している場合は,
当該ファイル(*****.e?.eps)
(上のファイル名 ***** とか ? の部分は場面によって異なります)
を一度削除した上で,タイプセットをやり直す必要があります。
あるいは,emathPs.sty を debug オプションで読み込んで,
強制的に当該 EPS ファイルを作り直します。
! LaTeX Error: Environment..... †
- コマンド・環境が未定義です。
- そのコマンド・環境が定義されているスタイルファイルをロードします。
! LaTeX Error: Environment edaenumerate undefined. †
- edaenumerate環境は emathEy.sty で定義されています。
- プリアンブルに \usepackage{emathEy} を附加します。
! LaTeX Error: Environment hyou undefined. †
- hyou環境は emathT.sty で定義されています。
! LaTeX Error: Environment mawarikomi undefined. †
- mawarikomi環境は emathMw.sty で定義されています。
- プリアンブルに \usepackage{emathMw} を附加します。
! LaTeX Error: Environment nidan undefined. †
- nidan環境は EMnidan.sty で定義されています。
- プリアンブルに \usepackage{EMnidan} を附加します。
! LaTeX Error: Environment rectbox undefined. †
- rectbox環境は emathPb.sty で定義されています。
! LaTeX Error: Environment zahyou undefined. †
- zahyou環境は emathPh.sty で定義されています。
- プリアンブルに \usepackage{emathPh} を附加します。
! LaTeX Error: File `....sty' not found. †
- ....sty が見つからない,というエラーです。
- スペルミスをチェックしましょう。
- 環境によっては,大文字・小文字の別も問題となります。
- 新しいスタイルファイルを追加したときは,環境によっては mktexlsr を実行する必要があります。
! LaTeX Error: Float(s) lost. †
- フロート(figure環境,table環境,\marginpar,...)が,
不適切な位置(minipage環境,\parbox, rectbox環境, ....)に配置されています。
- \marginpar については,emathBk.sty で定義されている \MigiRangai で代用できる場合もあります。
! LaTeX Error: Illegal character in array arg. †
array環境 もしくは tabular環境の欄指定子にデフォルト以外の文字が登場しています。
emath の場合,C, L, R 等を定義していますが,これを使用するには
emathT.sty
をロードしておく必要があります。
! LaTeX Error: Missing \begin{document}. †
- \begin{document}より前に置くことが出来ない記述があります。
- よくあるのは,全角の空白文字を配置したのが原因という場合です。
! LaTeX Error: No counter '.....' defined. †
- counter ..... が未定義です。
- そのカウンタを定義しているスタイルファイルをロードする必要があります。
prglineno †
! LaTeX Error: Undefined color `lightgray'. †
- emathパッケージでは,lightgray という color を emathPh.sty で定義しています。
emathPh.sty をロードしなければなりませんが,その前に color.sty をロードしておくことが前提です。
! mawarikomi環境はネストできません. †
- mawarikomi環境内に,さらに mawarikomi環境を配置することはできません。
! Missing = inserted for \ifnum. †
- \ifnum の書式は
\ifunm 整数=...
\ifunm 整数>...
\ifunm 整数<...
など,\ifnum には整数が続きます。ところが,その整数がくるべき場所に
小数点を伴った数値
あるいは
単位を伴った数値
が登場して,エラーとなるケースが多いようです。
! No room for a new \dimen . †
- tex では,
\dimen レジスタは 255個まで
という制約があり,それを超えてしまったというエラーです。
- 使うスタイルファイルを少なくしたり,\dimen を通常の制御綴に転化したりして凌ぐこととなります。
まずは,無用のスタイルをロードしないことから試みてください。
! No room for a new \write . †
- tex では,
\newwrite で使用可能なレジスタは 16個まで
という制約があり,それを超えてしまったというエラーです。
- 使うスタイルファイルを少なくしたり,ファイルハンドルを共有化したりして凌ぐこととなります。
まずは,無用のスタイルをロードしないことから試みてください。
! Number too big. †
- tex で扱える整数カウンタの数値は 2147483647(0x7FFFFFFF) が上限です。
! Package calc Error: `\relax ' invalid at this point. †
- calc.sty のバージョンが古いからではないでしょうか。
emath で想定しているものは
Package: calc 2007/08/22 v4.3 Infix arithmetic (KKT,FJ)
! Package keyval Error: .... †
- "key=val" 形式でオプションを与えているとき,key が未定義です。
- その key を定義しているスタイルファイルをロードします。
- よくあるケースとして,key=val の val 部にコンマが含まれている場合です。
val 部にコンマが含まれる場合は,val部全体を {.....} で括っておかねばなりません。
- keyval.sty は,グラフィックスパッケージに含まれているものを想定しています。
! Package keyval Error: apnzahyou undefined. †
- 'apnzahyou' は,emathPsb.sty (v 0.10 以降) で定義されています。
! Package keyval Error: xscale undefined. †
- 'xscale' は,emathPxy.sty で定義されています。
プリアンブルに \usepackage{emathPxy} を付加します。
! Package keyval Error: yscale undefined. †
- 'yscale' は,emathPxy.sty で定義されています。
プリアンブルに \usepackage{emathPxy} を付加します。
! Perl が正しく実行されていません。. †
- perl の作業結果ファイルを読もうとしましたが,ファイルが存在しません。
perl がエラー終了している可能性が大です。
コマンドプロンプトで作業をしてみると,原因がわかるでしょう。
! Pgozyohou needs emathT.sty †
- <sityuu=..> オプションは,emathT.sty を必要とします。
プリアンブルに \usepackage{emathT} を付加します。
! TeX capacity exceeded, sorry ..... †
! TeX capacity exceeded, sorry [hash size=.....]. †
- emath のドキュメント sample.tex (sample.pdf)
9 メモリ不足への対応
をご覧ください。
! TeX capacity exceeded, sorry [main memory size=.....]. †
- emath のドキュメント sample.tex (sample.pdf)
9 メモリ不足への対応
をご覧ください。
! TeX capacity exceeded, sorry [number of strings=10603]. †
- emath のドキュメント sample.tex (sample.pdf)
9 メモリ不足への対応
をご覧ください。
! TeX capacity exceeded, sorry [pool size=.....]. †
- emath のドキュメント sample.tex (sample.pdf)
9 メモリ不足への対応
をご覧ください。
! TeX capacity exceeded, sorry [save size=....]. †
- emath のドキュメント sample.tex (sample.pdf)
9 メモリ不足への対応
をご覧ください。
! Undefined control sequence. †
- 上記メッセージの次の行の末尾が未定義と認定されたコマンドです。
- スペルミスをチェックしましょう。
- そのコマンドが定義されているスタイルファイルはロードされていますか。
- 次の行の末尾のコマンドによる分類です:
\@iro †
- \@iro を用いるには,color.sty がロードされていることが前提です。
\arc †
- \arc は,eepic.sty で定義されている,円弧を描画するコマンドです。
emath では,emathP*.sty で eepic をロードします(ロードオプション [notpic] をつけた場合を除く)。
\bekutorukata †
- bekutorukata.sty をロードしなければなりません。
\buttcap †
- pict2e.sty のバージョンが古いからではないでしょうか。
emathパッケージで想定している pict2e.sty は
2009/08/05 v0.2x
です。これより古いバージョンのものは使えません。
\CalcVal †
- emathPl.sty をロードしなければなりません。
\CalculateCos †
- グラフィックスパッケージに含まれる trig.sty で定義されています。
\CalculateSin †
- グラフィックスパッケージに含まれる trig.sty で定義されています。
\CalculateTan †
- グラフィックスパッケージに含まれる trig.sty で定義されています。
\calc@next †
- Windows で,W32TeX の新しい版(09/05 以降)を用いた場合に出現した,というときは
実験版ページから emathPl.sty の新しいもの(v 0.15)を取得してください。
\color †
- color.sty をロードしなければなりません。
\colorbox †
- color.sty をロードしなければなりません。
\columnbreak †
- multicol.sty で定義されています。
これを読み込んでいるにもかかわらず,エラーが出る場合は,バージョンが古いのが原因です。
multicol.sty を更新します。(toolsパッケージに含まれています。
\define@key †
- keyval.sty で定義されているコマンドです。
graphicx.sty からロードされますので,graphicx.sty を読み込んでおけばよいでしょう。
\Deruta †
- \Deruta は emathPh.sty で定義されています。
\dilutecolor †
- \dilutecolor は,emathPs.sty で定義されています。
- ただし,color.sty がロードされていることが前提のコマンドです。
\drawline †
- \drawline は,epic.sty, eepic.sty で定義されていますが,
emathパッケージでは,emathPh.sty で再定義しています。
emathPs.sty を使用するときは,それに先立って emathPh.sty をロードしておかないとこのエラーが発生します。
このあたりの事情については,掲示板 No.2679
をご覧ください。
\dummyEQ †
- emath.sty のバージョンが古いからではないでしょうか。
\EM@white †
\EMcaption †
\EMcaptionpunc †
\EMdilutecolor †
- \EMdilutecolor は,emathPs.sty で定義されています。
- ただし,color.sty がロードされていることが前提のコマンドです。
\EMpsIrositei †
- \EMpsIrositei は,emathPs.sty で定義されています。
- ただし,color.sty がロードされていることが前提のコマンドです。
\emTsya †
- emathT.sty を読み込んでおかねばなりません。
\Gin@drafttrue †
- graphicx.sty を読み込んでおかなければなりません。
\Gurafu †
- \Gurafu コマンドは,obsolete です。どうしても使いたいときは,emathOld.sty をロードします。
\hakosyokika †
\headchar †
- \headchar は emathC.sty で定義されています。
\ifcolors@ †
- color.sty がロードされていることが前提のコマンドです。
\isodd †
- \isodd は ifthen.sty で定義されています。(ifthen.sty は LaTeX標準配布です。)
emathパッケージでは,ifthen.sty は必ず読み込まれています。
それでもエラーが出るということは,ifthen.sty が古い,多分 LaTeX209 時代のものが読み込まれているのでしょう。
そのあたりログファイルでお確かめください。
\keytop †
- \keytop は itembbox.sty で定義されています。
\ltxref †
- \ltxref は emathLb.sty で定義されています。
\multido †
- \multido は,multido.sty で定義されています。
multido.sty は,CTAN にありますが,当サイト目次「その他」にもあります。
\resizebox †
- graphicx.sty を読み込んでおかなければなりません。
\polygon †
- pict2e.sty のバージョンが古いからではないでしょうか。
emathパッケージで想定している pict2e.sty は
2009/08/05 v0.2x
です。これより古いバージョンのものは使えません。
\rotatebox †
- graphicx.sty を読み込んでおかなければなりません。
\SandSandS †
- emathPk.sty のバージョンが古いからではないでしょうか。
\sya †
- emathT.sty を読み込んでおかねばなりません。
\vecXY †
- \vecXY はかつては,emathPh.sty で定義されていましたが,
2009/07/11 に emathC.sty に移管されました。
この2つのファイル emathPh.sty と emathC.sty の整合性が崩れているものと思われます。
最新の修正パックを用いて,emath パッケージを更新してください。
\yGurafu †
- \yGurafu コマンドは,obsolete です。どうしても使いたいときは,emathOld.sty をロードします。
! Use of ...... doesn't match its definition. †
- コマンド ..... の使用法が正しくないことを示します。
- そのコマンドの引数内に,更に別のコマンドが含まれるときは,それに \protect をかぶせると解決することがあります。
Use of \@array doesn't match its definition †
- emathT.sty をロードしていますか?
ロードしていても,このエラーが出る場合は,\begin{array}の引数が異常です。
Use of \pictur@ doesn't match its definition. †
- emathPxy.sty をロードせずに,picture環境に [....] オプションをつけたときに発生します。
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